コラムII ライブについて(二)初心者が初心者に贈るライブのアドヴァイス

(Dave談)

6.前置き

本来、僕のような初心者がライブに関して
アドヴァイスだなんておこがましいこと甚だしい訳で、
そんなこと書くべきでもなければ、
大した価値も無いだろうと思います。

っていうわけでお仕舞い。
ちゃんちゃん。

…と書いてしまうと身も蓋もありませんので、
まあ飽くまでこれから初めてライブするぞってくらいの方
読んでいただければ幸いです。

当然、僕よりも適切なアドヴァイスをなさる方は
沢山おられるでしょうし、
僕よりも豊富な知識をお持ちの方はごまんとおられます。

なので、なるほどDaveはこんな感じでやってるのか
という程度にご理解いただくのがいいかと。

7.ライブハウスを探そう!

まず、最初に行うのはライブハウスを見つけることですね。

今の時代、インターネットで検索かけられるようになりましたので、
かつてに比べればうんと楽にはなったはずです。

かつては専ら口コミとかでしたので、
どんな規模で、どんなジャンルを出してくれるのかも
解りませんでしたからね。

いきなりチキンジョージに初心者が出してくれと言っても、
それはさすがに難しいでしょうし、
ブルーノートにデスメタルで出してくれといいに言っても、
それはさすがに先方を困らせる結果になるでしょう。

っつー訳で、最初はHPなどで規模や場所、
ジャンルなどがマッチするかを検討して、
幾つかあたりをつけることから始めては如何でしょうか?

8.「ブッキング」とは

ところでよく「ブッキング」って言葉を耳にしますよね?

これの意味をご存知ですか?

Bookingとは予約とかって意味なんですけど、
要するにライブハウス側が主催者として出演者を募り、
ライブハウス側と直接、出演契約を結ぶ形態を言います。

あくまでも一般論ですが、
やはりライブハウスが主催者であるとなると、
あまり変な演奏者に出演させると逆にライブハウスの名前に傷がつきかねませんから、
審査が少し厳しくなるようです。

故にビッグネームのライブハウスでブッキングを組んでもらえると、
それ自体がちょっとした栄誉と言うことも出来そう。

もっとも、やはり下に述べるようにライブハウスは飽くまで
営利を目的にしていますから、
究極的には集客力があって、
沢山の利益をもたらしてくれる出演者であれば
下手だろうとなんだろうと出演して欲しいでしょうし、
逆に滅茶苦茶巧いけれども全然集客力がないのであれば、
これはライブハウスとしては
あまり歓迎できる出演者ではないはずです。

9.「ノルマ」って?

この契約には俗に「ノルマ」と言われる最低保証売上げが
設定されていることがしばしばありまして、
たとえチケットが1枚も売れなかったとしても、
一定額は必ず買い取ってくださいねという契約です。

例えば「1000円のチケット×10枚」というノルマで、
1枚も売れなかったとしても、
出演者は必ず10,000円はライブハウスに払わなければならない。

つまり、出演契約が締結された時点で、
ライブハウス側には最低額の売上げが保証されるわけですね。

10.「バック」??

次に「バック」というのは正式にはKick Backの略でして、
蹴り返す⇒つまり利益を出演者に還元すると言う意味です。

これはどういうことかと申し上げますと、
売れた枚数に応じて、売上げの一部を出演者に渡すということです。

原則の話をすれば、
本来であればチケットは主催者であるライブハウスが売るわけですよね、
例えばメタリカのライブだと聞けば、
誰もメタリカから直接チケットを買うわけではなくて、
チケットぴあなどを通じて主催者(興業主)から購入するわけです。

で、その売り上げ×一定の%が「キック」と呼ばれるものです。

11.実際の清算(1)叩き売ると「バック」分で赤字が出るかも

ところが話を複雑にさせるのが先に述べた「ノルマ」と、
実際には出演者が自分たちの手でチケットを捌かなければならないという点です。

出演者自身がチケットを売りさばくわけですから、
売れた分の代金は直接自分の手元に入るわけですよね?

この状態は、いわばキックが100%の状態です。

しかし、 例えば先の出演契約でキックが50%だと定められていた場合、
利売上げの50%はライブハウスに渡さなければならないという状況が発生します。

因みにここに言う「売上げ」とは定価計算ですから、
例えば定価1000円のチケットを500円に値下げして売った場合、
ライブハウスは定価の50%である500円を要求してきますので、
売った本人の手元には何も残らないことになります。

更に、もしタダであげてしまった場合でも、
飽くまでライブハウスは500円を要求してきますから、
この場合は逆に売った本人が500円の自腹を
切らなければならないようになります。

12. 実際の清算(2)ノルマ分の計算

「ノルマ」があるということは、繰り返しになりますが、
たとえば10枚分は売れても売れなくても買い取らなければならないわけです。

ですから、いわば予め「ノルマ」分は出演者が定価で
買い取っていると考えることが出来、
これを幾らで売ろうが、それは自由。

その分が売れたとしたら、
それについては全額出演者が財布に収めることが出来ます。

問題になるのはノルマ以上に売れた場合でして、
例えば「1000円のチケット×10枚」というのがノルマだった場合に、
11枚売れた際の計算です。

定価で全てのチケットを売っていた場合、
出演者の手元には
1000円のチケット×11枚=11,000円
があるはずです。

このうち、1万円は「ノルマ」として、
いずれにせよライブハウスに渡さなければなりません。

しかし残る11枚目の1000円についてどうするか
ここからがキックの問題なのです。

仮に11枚目以降50%となっていれば、
(ノルマ分)1万円+(11枚目のチケット代の50%)500円=10,500円
をライブハウス側に渡して、
(元々手元にあった売上金)11,000円-(ライブハウスに支払う)10500円=500円
黒字と言うわけです。

13.ホールレンタル

ところで、ホールレンタルって聞いたことがありますか?

これは文字通り、
ライブハウス自体を借り切っちゃう形態を指します。

勿論そこで結婚式の2次会をやってもいいのですし、
そこで美女をはべらしての写真撮影会をしても、
ステージの真ん中に布団を敷いて究極に贅沢な昼寝をしても構わないわけですが(笑)、
やはり折角ライブハウスなんですから、
ライブやりたいですよね。

その場合、 機材の貸し出しは勿論、
PAさんや照明さんといったライブに不可欠なクルーも貸し出してくれる
(※こうした形態を「ウェット・リース」という)場合が殆どです。

ということは、つまり演奏者からすればブッキングと
ほぼ全く同じ状態でステージに立てる訳です
(※場合によって新人などのクルーを練習がてら配属される場合あり)。

この方法だと、ブッキングではとても叶わないような
ビッグネームなライブハウスへの出演も金次第。

とはいえ、纏まった時間での貸し出しになりますから、
一つのバンドでこれを賄うとなると、
よほど資金に余裕があるか、
よほど大人数の集客が見込めるのでなければ大変です。

14.イベント

そこで登場するのが「イベント」ってやつです。
要するに、ライブハウス以外の誰かがライブハウスをホールレンタルした上で、
自ら興業主になって出演者を募る方法。

飽くまでライブハウスはホールを貸し出しているだけですから、
ライブハウスは原則的に
出演者の選定や興業主との契約内容については口出しをしません。

毛色が違うバンドが出ようが、ど下手なバンドが出ようが、
それは興業主次第です。

そういう意味では一般的には、
出演のハードルはやや下がる傾向にあります。

また、主催者のコネで色んな出演者と競演することができるかもしれませんし、
主催者によってはかなり自由にやらせてくれたり、
あるいは主催者がイヴェント自体を盛り上げてくれるということもあるかも知れません。

但しデメリットもあって、ライブハウスは興業主ではない以上、
ライブハウスとして宣伝してくれることはあまり期待できません
(例えばHPへの記載や、ぴあなどへの記載)。

またブッキングでの出演ではないので、
ビッグネームな箱に出演したとしても、
それは出演履歴としてはノーカウントが原則(箔はつかないということ)ですし、
興業主(俗に「イべンター」という)がどこの誰か分からない場合、
出演料は高すぎないか、金銭の管理はちゃんとしているのか、
等について若干の不安は残ります。

15.営業準備

さて、いよいよライブハウスに出演交渉!…に行く前に準備が必要です。
社会人の方ならイメージがつかめると思うのですが、
まさか何も考えず手ぶらで商品を売りに行くバカな営業マンはいません

例えばサンプル商品だったり、
プレゼンの資料だったりを持っていくのが普通だと思うのですが、
ライブハウスに出演交渉に行くというのは、
まさに自分たちと契約をしてもらうために「営業に行く」わけですから、
何かしらのツールが必要になるわけです。

バンドにとって商品とは、
「曲」「ステージでの自分たちのパフォーマンス」ですよね。

しかし、じゃあ試しにやらせてくださいと言う訳にも行きませんから、
原則としてデモテープとプロフィールくらいは必要になってきます。

最近ではHP上で定型のプロフィール用紙をダウンロードするように
なっているところもありますし、
ライブハウスに行った際に新たに定型のプロフィール・シートの記入を
求められる場合もありますが、
まずは自分たちでプロフィールを作ってみては如何でしょう?

なるべく、自分たちのバンドがどんなバンドか分かってもらえるように、
さらにはそれが良い商品であるとアピールできるような
訴求力のあるプロフィールが準備できれば強いと思います。

16.営業に行こう!

ではいよいよ営業に参りましょう。
出来れば先にHPなどで電話番号を確認して、
アポイントをとっておくといいだろうと思います。
なにせあまり早い時間は空いていませんし、
遅い時間はライブの本番でそれどころではなかったり、
開演前の時間であっても大きなイベントや有名なバンドが出演する場合は
観客を捌くのに多くのマン・パワーを割いているという場合も
充分に考えられるからです。

電話するのが苦手と言う人もいるかもしれませんが、
自分たちがバンドで、出演させて欲しいので
ブッキングマネージャーとお話させて欲しいと言えば、
話は結構すんなりと行きますよ。

向こうも出演者は金を持ってきてくれるかもしれない
重要なビジネス・パートナーですから、
よほど失礼な物言いをしたり、
こちらの態度が余りにも酷い場合でなければ、
いきなり邪険にするということはあまり無いだろうと思います。

ブッキングマネージャーに繋いでもらえば、
あとはデモテープとプロフィールを持って行きたいので、
都合のいい日時を教えてくれと言えば、
話はトントン拍子に進むはずです。

実際にライブハウスを訪問するときは、
普通にマナーをわきまえてさえいればいいだろうと思います。
元気に挨拶をして、約束した担当者の方を呼んでもらい、
自己紹介をして、用意してきたデモテとプロフィールを渡して…
あとは適当に雑談でもして、丁寧によろしくお願いしますと頭を下げて、
ライブハウスを後にしましょう。

運がよければ箱の中を見せてくれるかもしれませんし、
また質問があれば直接ぶつけるいい機会です。

あとは後日連絡が来るか…来ないか…。

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