コラムⅣ ギターを買おう!(二)どの価格帯を狙うか(前編)

(Dave談)

2.価格帯による特徴

ところが、まあギターとかベースとかって
管楽器やヴァイオリンのようなクラッシック弦楽器に比べれば
さほどではないにせよ、やはり安い買い物ではありません。

それなのに、色んなメーカーから色んなモデルが販売されていて、
特にこれからギターを手にしようとしている人にとっては、
どれを買えばいいのかはかなり悩むところ。

そこで、まずは価格帯による特徴と、購入にあたっての大まかな戦略をお教えします。

まずは新品の価格帯
(※あくまで定価のこと。実際はこれの20%~30%引きで販売されるのが殆ど)
による特徴ですが、
僕の雑感として、大まかに言えば下のように言えるかと思います。

(1) ~4万円

ぶっちゃけ、ギターであってギターでない
よく少年誌の後の広告とかに載ってるやつね。

正直、ニセモノ臭がぷんぷんして持っていて恥ずかしいし、
ロクな音は出ないし、基本的な部品が省略されていたり
正規品との互換性が無かったりして、
決してお勧めは出来ません。

車を買おうと思っているのにゴーカートを買っちゃうようなものです。

(2) 4万~8万

所謂有名ブランドの、ビギナー向けの展開ですね。

昔はこの価格帯でも結構粗悪なものがあったような気がしますが、
最近はぐっとクオリティーが高くなった印象です。

その反面、かつてはこの価格帯の多くが日本製だったのが、
最近では専ら韓国をはじめとするアジア各国で作られるようになりました。

かつて日本製が米国製に対して劣ると思われていたのが、
現在ではESPやIbanezなどのトップブランドにおいて日本製が最高級品と
目されるようになったのと同様、あまり気にする点ではないかと思います。

ビギナー向けのモデルだけあって、
複雑な機構や手間のかかるフィニッシュ(仕上げ)は一切省略してありますし、
パーツもとにかく安いものを搭載しています。

とはいえ、最初はどんなギターを弾いても良い音なんて出ないでしょうし、
本人も何が良い音なのかをなかなか理解できないでしょうから、
ひたすら練習するためには充分なギターだったりします。

強みとしては、この価格帯のギターは構造がシンプルなせいか、
あるいは知識の無い初心者が触る事を前提としているからか、
結構タフな印象があります。

30万クラスのギターなら、壁にたてかけたギターが倒れただけでも
何かしらのトラブルを生じる可能性が高いですが、
ビギナー向けのモデルではちょっと傷がつくくらいでへっちゃらだったりします。

メーカーによってはこうしたエントリーモデルには、
ブランドのイメージ低下を避けるため、
正規ブランドとは別のブランド名を冠している場合があります。

例えばESPであればGrass Roots、IbanezであればGIO Ibanez、
FenderならSquire、JacksonもかつてはCharvelを下位ブランドとして使用したり、
あるいはTeam GJなんていう名前で販売していたこともありました。

(3) 8万~12万

たぶんここら辺も分類としては「エントリー」モデルとなるのでしょうが、
(2)と違って所謂正規ブランドの正規ラインナップ、
つまり、そのメーカーが自社の製品として充分な品質があると
自信をもって世に送り出しているモデルです
(※ESPはEdwardsを、GibsonはEpiphoneというブランドを冠して尚、
トップブランドとは差別化を図っています)。

ここらへんになると、ライブに出てもあまり見劣り感はありません。

最近ではこの価格帯でも日本以外の海外(アジア)生産だったりするようですが、
今やベンツだって南アフリカで生産される時代です。

有名ブランドがこれは自社の製品だと自信を持って送り出したくらいですから、
まあ気にする必要はあまりないかと思います。

国内で生産していたにせよ、
機械で大量生産されている点に変わりはありませんしね。

僕的には別にハンドメイドじゃなくてもいいんじゃないかと思います。

少なくとも素人目には全く解りませんから。

この価格帯の特徴としては、
微妙に部品に廉価(れんか)品が使われていることでしょうか。

部品というのは例えばブリッジ(ボディー側の弦の付け根部分)だったり
ピックアップ(弦振動を拾うマイクみたいな部品)だったり、
あるいはインレイ(指板にあるポジションマーク)だったり。

ブリッジで有名なのはFloyd Roseが、
もはや商品名を越えて規格の名称になった感があります。

15万越えクラスくらいからは本物のFloyd Roseが標準採用になりますが、
10万円未満であればまず間違いなくライセンス生産品です。

ライセンス生産で有名なのはドイツのSchallerと日本のGotohで、
この二社製であれば別に問題ないんじゃないかな?

本物はチューニングが狂いにくいといいますが、
言われてみれば…?ってくらいの差異ですし、
若干アーミングがスムーズだとかサスティーンがいいとかは
初心者には全く関係の無い話です。

ピックアップは確かに音に差をもたらしますが、
最近ではこの価格帯でもEMGを搭載していたり、
正規のSeymour Duncanを搭載していることがしばしばあり、
そうではなくともかなりパワフルな音がするDuncan Designなるモデルもありますし、
何よりどうしても気に入らなければ
後から+1万~2万くらいで交換する事もできますし。

インレイについては、
Jackson(※シャーク・フィン・インレイで有名。
上位モデルは本物の貝を使っていて、確かに綺麗)などは
わざと中・上級モデルと差別化を図るために
省略しているきらいがあります。

勿論、プレイアビリティーや音には無関係な点なので、
気にするかどうかの問題ですね。

(4) 12万~20万

ここら辺が有名ブランドの、主力価格帯です。
所謂フラッグ・シップ・モデル(旗艦商品=ブランドを代表する製品)ではありませんが、
そんなハイエンド商品ばかりが売れるわけはありませんので、
ここら辺のモデルで稼ぎたいというのがメーカーの本音ではないでしょうか。

購入者も、基本的には2本目以降のギターになる場合が多いだろうと思います。

当然ですが、この価格帯のギターであれば、ステージでもまったく遜色ないはずです。

基本的に日本製かアメリカ製で、
完全なハンドメイドではないためさすがにインレイに貝を使っている事は稀なものの、
15万以上であれば正規のFloyd Roseを使っていて当然ですし、
ピックアップにも妥協はなく、
ここら辺はフラッグ・シップ・モデルと差異がありません。

また、ハードケースが標準装備になっている場合が殆どです。

スペック的にはどの社のものも充分でしょうし、
あとの音の違いはむしろ「個性」によるところが大きくなるように思います。

つまり、ギターとして音が「良い・悪い」ではなくて、
このギターはこっちの方向性の音で、
あのギターはああいう方向性の音作りを目指して設計されているのだ、と。

勿論、厳密には尚「鳴り」の問題などはあるのですが、
ここらへんを気にする人はきっと僕のコラムなんて読んでないと思う(笑)

(5) 20万~

いわゆるハイエンド・ギターの価格帯に突入します。
100万を越える青天井なので
どこからがハイエンドなのかは特定が難しいところですが、
ぶっちゃけ僕には30万円のギターと50万円のギターの違いは良く解りません。

実は僕の使っているJackson USAのKellyはこの価格帯で
Grover JacksonのKVは(3)の価格帯にカテゴライズされるのですが、
そんなにめっちゃ違うかと訊かれるとそうでもないというのが本音です。

むしろ「欲しいから買う」という趣味の世界という色合いが強いように思いますね。

確かにとても美しい材(木目)を使っていたり、
インレイが彫刻のようになっていて芸術的だったり、
一から最後まで人の手で作られていたりするのでしょうが、
それがどれほど「音」に違いをもたらすかは謎です。

(6) 20万以上の「アーティスト・モデル」

ご注意いただきたいのは、
「プロが使っているから」というのは確かにそのアーティストはそれを使っているのでしょうが、
(殆どの場合)彼らは別にそれを大枚はたいて
自分で購入して使っているわけではありませんからね。

特に「アーティスト・モデル」とか「シグネチャー・モデル」と呼ばれる
特定のアーティスト専用のモデルは、
エンドース契約を結んでメーカーが「使ってもらっている」のです。

ですので契約が切れた途端に他のギターに持ち替える事もしばしばですし、
果たして彼らが自腹を切ってまで
そんな高価なギターを使ったかという点には疑問を抱きます。

大抵、アーティストモデルを購入するのは
大なり小なりそのアーティストをrespectしている購入者ですから、
そのファン心理を狙って多少(利益を)乗っけるのも営業戦略としては当然ですし。

3.どの価格帯のを買ったらいいの?

価格帯によるギターの特徴を理解していただいたところで、
では幾らくらいのギターを買えばいいのよ?という疑問にお答えします。

結論としてこれからギター買うぞって方であれば
(2)か(3)のカテゴリーのギターを買うのが妥当なんじゃないですかね。

というのは(1)は必ず後悔するかギター自体を途中ですぐに投げてしまいますし、
よほどお金に不自由していないというなら止めませんが、
ギターも弾いているうちに多少は嗜好が変わってきたりするものですから、
いきなり(4)(5)(6)の高価なギターを購入して、
あとでしまったと思ったときにかなり勿体無いことになるからです。

特に(6)のアーティストモデルはこの危険性が高く、
下手に特徴的な形状を有していた場合、
熱狂的なファンでなくなった途端に
とても恥ずかしい思いをする事にもなりかねません。

また、そうした場合に手放そうと思っても、
当該アーティストの人気が翳(かげ)れば
リセール・プライスはがくんと落ちますし。

それと、これは僕自身についてもあてはまることなので
あまり大きな声では言えませんが、
技術が伴わないのにあまりに分不相応な高級ギターをもつのは
ちょっと恥ずかしいというのもあります。

例えるならフェラーリに載ってエンストしたり、
GTRに載っているのに何回も切り返しして駐車するようなもの。

ギターはスキー板のように初心者が上級モデルを使うと
滑れないなんていうことはありませんが、
やはりスキーでもナショナル・チームのレプリカを着て
へっぴり腰ボーゲンというのはみっともないですから、
あまりお勧めはしません。

それであれば、むしろ最低の機材で
信じられないくらい良い音でプレイする巧者のほうがよっぽどカッコいいですからね。

なので、ちょっとだけ背伸びした感じのギターを手に入れて、
はやくギターのレベルに追いつこうとして
練習するのが良いんじゃないでしょうか。

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