コラムII ライブについて(三)DUWは…

(Dave談)

さて、今日は皆さんに我等がDEEP UNDERWATERのライブに関する秘密
(※それがeffectiveかどうかは別として…)を、
わざわざこんなコラムを読んでくださった皆さんだけに、
こっそり教えちゃいます。
ま、あまり役には立たないかもしれませんけどね(笑)

17.ライブ前が勝負時!

実は僕がライブで最も大切だと考えているのは、
自分たちの出演前の時間です。

勿論、ライブであればリハがあったりするわけですが、
何より大切だと僕が考えるのが
①対バンとのFamiliarization と
②観客とのSocialization です。

僕はかつて、あまり社交的な性格ではなかったので、
対バンとも全然喋らなかったんですよ。

せいぜい「お疲れ様です」って声をかけるくらいでね。

対バンはまさに「対戦」バンド、
すなわち敵だっちゅうくらいに考えていました。

しかしこれ、大きな間違いなんですよね。

対バンってのはむしろ仲間であって、協力者な訳です。

場合によっては予期せぬトラブルが発生して
機材を融通しあうなどの協力を仰ぐことになるかも知れませんし、
あるいはお互いに他のライブハウスの情報を交換したり、
相手のノウハウを教えてもらったり、
あるいは将来別のライブに対バンとして呼び合う仲になるかもしれません。

また、やはり集客の少なかった場合などは、
対バンのメンバーさんが見てくれるというのはちょっと心強かったりしますし、
余りにもガラガラというのは寂しいですから、
「さくら」をやってくれるのもこんなにありがたいことはない。

気がつけば対バンのメンバーさんだらけ、
なんていうこともありますけどね(笑)

それから、最も大切なのが②の観客とのSocializationね。

「事前営業」と言ってもいいかもしれません。

ライブハウスには、当然ですが自分たちのバンドを観に来てくれたお客さんだけでなく、
他のバンドを観に来られたお客さんも大勢いるわけです。

この人たちを味方にしないって手は無い。

他のバンドのお客さんは、あるいはお目当てのバンドの出演が終わったら
帰ってしまうかもしれないし、
あるいは目当てのバンド以外はホールの外に出て
休憩しようとするかもしれない。

しかし、最初にこちらから声をかけて、
良かったらちょっと観てやってくださいとお願いしておけば、
大抵の場合は「じゃあちょっとだけ」と観てくれるもの。

これがあるのと無いのとでは大違い。

あるいはその中に、潜在的なファンがいるかも知れませんしね。

18.アンケートの意味

それと、アンケートを配っているバンドさんはDUW以外にも多いと思うのですが、
これも使いようで、素晴らしい営業ツールにもなれば、
ただの紙くずにもなりかねません。

僕が思うに、アンケートには、2つの大きな意味があります。

一つはデータを収集すること。
「何でもいいので書いてください」ってのは逆に言えば
「別に何も書かなくても結構です」と言っているようなもので、
まず自分たちが何を知りたいのかを明白にしなければなりません。

例えばDUWであれば、どの曲のウケが良かったのかを参考にして、
今後の作曲の指針とすることを予定していますし、
MCもバイリンガルであることを活かして英語でやったほうがいいのか、
あるいは日本語で丁寧にメッセージを伝えた方がいいのかを検討する材料にもしています。

こうした必要なデータを収集するには、
事後にきちんと統計をとってデータを分析する必要があります
(どの年代の人はどんな嗜好をしているのかを知ったり)。

単にさらさらーと読むだけでは、
みすみす宝箱を開けずに棄てるようなもの。

もう一つの隠された意味は、
お客さんとのコミュニケーションの絶好のツールとしての意味です。

コミュニケーションと言っても、
アンケートの内容自体について言っているのではありません。

これは最高の秘密ですが、
アンケートを配布して回収する、
この2つの動作の際にお客さんと自然に話すことができるのです。

ぶっちゃけ、僕から言わせれば単にアンケート用紙をおいておいて、
回収箱に入れさせるなんてバカのすること。

そんなんでアンケートを記入してくれる奇特な人はお人よし日本でも少ないですし、
何よりそれでは全然次に繋がらない。

そりゃあ、よほど実力があって
勝手にファンの方から働きかけてくれるなら別ですが、
そういうバンドは別にアンケートもそう必要ではないでしょうしね。

19.対バン観戦

またしても、僕の過去の反省を込めての感想なんですが、
対バンはちゃんと観ないといけませんよね。

そりゃあ音楽的には興味のないバンドもあるし、
全然参考にすべき点の無いバンドだってあります。

でもね、それらは全て「教材」です。

僕はDUWのメンバーに、
必要なとき以外は楽屋やバー・スペースへは行くなと言っています。

音楽的に全然違うバンドであったにせよ、
巧いバンドはどこが巧いのかを分析したいし、
巧くないのに人気のあるバンドがあれば、
それこそその秘密を探りたい。

ちょっと残念だなと思うバンドがあれば、
どこがどう残念なのか、
またどうすれば克服できるのかをまるでコンサルタントのように分析し、
そこから得られた情報を自身にフィードバックします。

僕ら自身がやっている「残念なこと」に早く気づきたいし、
他者のおいしい企業秘密は是非とも
わが社…じゃなかったDEEP UNDERWATERでも取り入れたいですからね。

そういう教材をただで提供してくれる、
絶好の機会が対バン観戦なのです。

20.失敗ライブこそ収穫が多い

何だか随分偉そうなことを書いてしまいましたが、
皆さんご存知のように
、 DEEP UNDERWATERこそまだまだである事は紛れも無い事実。

正直に言えば、ライブの後はよう凹みますよ。

あー、あんな失敗してもた、みっともなかった、
あのトラブルはなんだったんだ、もっと練習しとけばよかった…
反省と後悔はきりが無いです。

でもね、振り返って考えると反省の多い、
失敗ライブの方が学ぶ事が多いんですよね。

例えばKAMPFERの時に経験した「3人ライブ」と同韓国での200人ライブね、
そりゃあ人生の思い出としては後者の方が素敵な思い出に違いはありませんが、
どちらが成長させてくれたかと問われれば前者です。

あれがなければ、僕はいつまで経っても
ジャイアン・リサイタル街道まっしぐらだったと思う。

おそらく、残念ながらDEEP UNDERWATERは
この先も沢山の「失敗ライブ」を経験すると思うのです。

そんなライブに居合わせた皆さんには本当に申し訳ないんですが、
是非そういう場合には、罵声を浴びせて帰ってください。

その罵声こそが、実は僕らに猛反省を促し、
僅かでも改善へと繋ぐ糧となると思いますので。

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